【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

まるむしのぼうけん/詩の創作です。このところ毎日書いています。

まるむし ころころ だんごむし、
くるり くるりん、まるまって、
そこへ、風さん 吹いてきて、
ころり ころりん、ころがって、
ついた ところは 部屋の中。

そこに こねこが やってきて、
おやおや、これは 何かしら、
まァるい まりの こどもかしら、
ちょうど たいくつ してたとこ、
くるくる これで あそびましょ。

まるむし ころころ ころげむし、
じゃれる こねこの まえあしに
つられて、ころころ 部屋いっしゅう。
やがて こねこも あきてきて、
すやすや おひるね、ゆめのなか。

ちいさな まるむし、のびをして、
いったい ここは どこかしら、
ひィろい ひィろい 海かしら。
そろそろ おうちへ かえりたい。
けれども おうちが わからない。

そこへ 来たのは おんなのこ。
お部屋の ひろい 海のなか、
よちよち まよう まるむしを、
そっと おててに すくいあげ、
お庭に かえして あげました。

おうちに ついた まるむしは、
くるり くるりん、まるまって、
ゆっくり おひるね、そのあとに、
かあさんむしに ごほうこく、
その日の ふしぎな ぼうけんを。

あのね、かあさん、だいぼうけん。
今日の わたしは おおいそがし。
くるくる、くるまに まるまって、
ころころ、ころころ、だいりょこう。
海から 帰って きたんだよ。

かあさんむしは あおいかお。
おまえ、ほんとに だいじょうぶ?
どうして 帰って こられたの、
どこにも けがは なかったの。
けれども、こむしは すましがお。

あのね、かあさん、仏(のの)さまよ。
わたしは いつも きいてるの。
いつも こどもが うたってる、
いつも みんなが 手をあわす、
村の はずれの おじぞうさま。

わたしが 海で ないてたら、
おじぞうさまの おおきな手、
そっと すくって くれたのよ。
その あったかな 手のうえで、
いまも おひるね してたのよ。

付記。
まるむしは、さくらももこさんの詩集の題名『まるむし帳』にあり、これからの連想です。だんごむしのことかなあと言うのは、私の勝手な空想です。

さて、ののさまについての私の詩は他にもあります。

「ひいおばあちゃんの話」
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/22/063242

「ののさま(その1)」
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/23/001115

「ののさま(その2)」
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/23/002033