【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

ひいおばあちゃんの話/詩の創作です。このところ毎日書いています。

「ああ、ののさまが 見てなさる」
ひいおばあちゃんが 言いました。

「ねえ、ののさまって だれのこと」
ひいおばあちゃんに ききました。

にっこり わらって おばあちゃんは、
わたしの かおを 見つめます。

「これは むかしの 言葉での。
神さまの ことを 言いますのよ」

「お空に おられる 神さまね」
そう おばあちゃんに ききました。

「いやいや お空だけでない。
いろんな ところに おられますよ。

あの お月さまは ののさまよ。
あの 森の木も ののさまよ」

「おばあちゃん、それは おかしいわ。
それって 仏さまじゃない?」

まえに 幼稚園で ききました。
仏さまの ことを ききました。

そう、そのとおり、ののさまは
仏さまのことも いいますのよ」

わたしは さっぱり わからずに、
おばあちゃんの 話が わからずに、

「あのね、神さまは 一人でしょ。
たった 一人の お方でしょ」

も一度 にっこり ほほえんで、
おばあちゃんは わたしに 話します。

「それは むこうの 神さまじゃの。
海を わたって きなさった」

それから、ゆっくり、おばあちゃんは
お話をして くれました。

むかしの ののさまの お話を、
むかしの 子供らの お話を。

「ののさま」或いは「のうさま」。これは古語なのかも知れません。倉田百三の『出家とその弟子』に出てきたのを覚えています。

さて、ののさまについての私の詩は他にもあります。

まるむしのぼうけん
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/22/013152

ののさま(その1)
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/23/001115

ののさま(その2)
https://taiko888.hatenadiary.com/entry/2019/10/23/002033