こわがり/詩の創作です。このところ毎日書いています。
私が ずっと 小さいころ
交通事故で パパとママは
遠い国へと ゆきました
私は ひとり 助かって
何もわからず 泣いていたと
親戚の人に 聞きました
おじさんの家に ひきとられ
今は大きく なったけれど
それでも くるまは 大嫌い
アニメで 人が 死んだ時は
私が ぶるぶる 泣き出して
それで おしまいに してしまい
友達の家に 行ったときは
こわいゲームを 見せられて
ふるえて 逃げて 帰ったし
だから 陰口が 聞こえるの
あの子は あんまり こわがりで
なんだか 少し おかしいって
だけど みんなは 私のこと
どうして そんなに わかるだろう
みんな 心は 違うのに
みんなは 私を 知らないし
私も みんなを 分からない
心は みんな 別だもの
けれども いつかの 番組に
戦争にあった 国が出て
私に よく似た 子供がいた
その子も ぶるぶる ふるえていて
私は その時 こう思った
この子は 私と 同じだって
もしも その国に 行けたなら
絶対 その子を 助けたい
その子の 心が 分かるから
難民になった 子供たちが
日本の国にも 来ていると
その番組で 言っていた
もしも 私が 大きくて
ボランティアさえ 出来たなら
きっと あの子の 所へゆく
そうして 何があろうとも
こわい 話は きかせないの
悲しい思いは させないの
こわい話は もうたくさん
残酷なことも いらないわ
今まで さんざん あったもの
そんな話が 無くなったら
世界の どこにも 無くなったら
どんなに どんなに いいでしょう