笠地蔵 | 大晦日といえば、このお話!!
さて、大晦日ですね。
古来、我が国には「大祓い」という行事もあり、その年をふりかえって反省し、厄を祓うという伝統がありました。
貧しい老夫婦の民話もありますが、皆さんは何か良い事ができたでしょうか?
お互い、よくよくふりかえってみたいものです。
【傘地蔵】
みそかの 冷たき 日暮れ時
雪は どんどん 降り積もる
笠売り翁(おきな)の 来かかれば
雪にまみれし 野の仏
売り残りたる 笠五つ
そして頭の 布ひとつ
合わせて六の 六地蔵
その御かしらに 手向けたり
正月の 餅は 無けれども
回向できる身の ありがたさ
無手にて帰る 荷の軽く
されど 心も かるがると
今年の終りの 善行を
夫婦ともども 喜びて
貧しけれども ささやかに
新しき年を 迎えなん
やがて遠くに 声のして
多くの 声の 呼ばわるに
笠を 手向けし 爺さまの
家はどこぞと 六地蔵
荷には 金銀財宝と
餅に おせちの 数々を
よき夫婦には またとなき
よき正月と なったという