【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

風の谷のナウシカ・2(2019/11/10改稿)/詩の創作です。このところ毎日書いています。

ああ ナウシカの 言葉にきく。
地球に 摂理は 存在する、
腐海(ふかい)は 世界を 守っている、
それを 知ることが だいじだと。

母なる 地球の 不思議を思う。
この 広大な 地に あまねき、
美をも 醜をも 包みこんで、
じっと 耐えている 姿を 思う。

地に 咲きほこる 花々をめでる 人なら 数多いる。
だが、しかばねの ふはいを見て、
それを 讃える 人はいない。
そこには むろん 美はなくて、
いやな 臭いが あるだけだが、
そこにも 自然の 摂理がある。
そこに 分子の めぐりがある。
それなくしては、私たちも、
生を まっとう できないのだ。

人は 自然を よごしてきた。
ヘドロは 海と 地に溢れて、
核戦争が 世を破壊し、「火の七日間」が 過ぎたとき、
多くの いのちが 失われて、
地は 大いなる やまいを 得た。
人は 間違いに 気づかずに、
そして その業(ごう)は 尽きぬのか、
さらに 過ちは 続いたのだ。

地球は 毒素を 消さんとした。
その吹き出物が 地に溢れて、
人々は それを 腐海と呼び、
ただただ それを 忌み嫌い、
その意味を 問う 人もなく、
ひとりの 姫を 別として。

この世には、美も 醜もある。
目を 楽しませる 蝶もいれば、
忌み嫌われる 王蟲もいる。
王蟲に 親しむ ナウシカは、
虫めずる 姫と よばれていた。

この 虫めずる 姫君は、
腐海の 意味を 知るゆえに、
それを 忌み嫌う こともなく、
科学者の 眼で 探訪し、
その 風景に 身を投じる。

この 虫めずる 姫君は、
腐敗の 海にも 美を 見いだす。
その 只中に 身を横たえ、
「きれい」と つぶやく その刹那に、
地母神という 地の神と、
彼女は ひとつ 心にいる。

そして 腐海を 抜けた底に、
清浄な 土地を 見いだして、
彼女は 嬉し泣きをする。

地球は まさに 生きていて、
汚れの 浄化に 励んでいる。
腐海の 意味は そこにあり、
そこに 存在理由がある。

この理を 覚る 者は少ない。
このことを識り 世に伝えて、
腐海の 守護者 王蟲らと、
心を 通わせ 協力して、
人と 地球との 和解を説き、
理想の 世界を 創ってゆく、
神の 申し子 ナウシカ
はるかな 願い その祈りを、
美しいものと 私は知る。