【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

【連載(第6回) 世界中で23もの受賞!今公開中の映画の中の言葉です。原作の小説から紹介します。

映画「世界から希望が消えたなら。」の原作の小説から紹介しています。

「拝啓 御祖真様
先日の講演会に参加させていただきました。私は二十年来のウツに悩まされておりましたが、御祖先生のお話を拝聴してからは、突如、視界が澄み渡った青空のように開け、世界が明るく見えるようになりました。今までの自分には、周りの人に対する感謝が足りなかったと思います。今日も一日があることへの感謝。美味しいものを食べられることへの感謝。体を自由に動かせることへの感謝。地球に空気があることへの感謝。ウツ症状の自分を、長い間温かく見守ってくれていた家族への感謝。そして、こんな自分でも、神に生かされているのだ、ということへの感謝。その全てを、御祖先生のお話で、改めて我が事として気づかせていただきました。『自分もまた、神の子である』ということが勇気の原理となり、苦手だった人間関係にも、再挑戦しつつあります。御祖先生、この度は、素晴らしい機会を下さり、誠にありがとうございました。 奥村豊」
手紙の内容を読み、真は思わず顔をほころばせる。
「御祖真先生
私の息子には生まれつき、脳性麻痺という障害があります。息子がなぜ、障害を持って生まれて来たのかが分からず、健康体で生んであげられなかった自分を、ずっと責め続けてきました。しかし、先生のご著書で、人間は『魂』こそが本質であり、魂を磨くための修行として、この世に生まれてくることを学びました。読了後、さっそく息子に、『あなたの本質は魂なのよ。今世の障害だって、きっと乗り越えていけるの』と話しかけたところ、息子が大きく頷き、涙を流しました。それ以来、息子は周りのみんなが驚くほど活き活きし始め、明るい笑顔を見せるようになりました。これからも、親子で力を合わせて、人生の問題集に向き合っていこうと思います。 河合菜緒子」
便箋に、真はサラサラと返事を書き始める。
「河合菜緒子様
拙著の感想をお手紙にて下さり、誠にありがとうございます。息子さんは今、ハンディを負っておられるとのことですが、障害があっても、魂は健全です。人生修行の一環として、世の中の希望となるために、障害を持って生まれてくる方も一定数いらっしゃるのです。
私の感じるところ、息子さんは、障害を言いわけにせず、諦めずに努力することで、周囲に感化を与える自分を目指して生まれてこられています。毎日少しずつ、息子さんのできることを増やそうと心がけてあげてください。息子さんが頑張ることが、必ずや、周りの人たちの光となることでしょう。」
(p.194~197)