【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

【連載(第5回) 世界中で23もの受賞!今公開中の映画の中の言葉です。原作の小説から紹介します。】

映画「世界から希望が消えたなら。」の原作の小説から紹介しています。

「母さん、足の調子はどうなの?」
「あぁ・・・膝のお皿が割れてしもうてなぁ。ほんで体支えられへんけん、歩けんわ」
「母さん、そんなこといわずに。健康な自分の姿をイメージできるかい?」
「健康な自分なあ・・・。私も昔は玉美ちゃんによう似とって、そっくりやったんやけどなあ」(略)
「母さん、あの世は思いが全ての世界なんだよ。あの世にいる父さんも兄さんも、若々しくてすごく元気なんだ」
「そんなこと、あるんかねぇ?」
「地上にいる僕たちも、本質は同じだから、心の力が健康に大きく影響するんだよ。強い意志の力で、体は変えていけるんだ。僕の言うことを、信じられるかい?」(略)
「どないしたらええの?」
「目を閉じて、若くて健康な頃の自分の足をイメージしてみて」
みきは素直に、目を閉じる。
「どうか心の者の足が治りますように。あなたの足は健康です。あなたの足はまだ働けるはずです。膝よ、本来の使命を果たしなさい。天上界の光、流れ入る、流れ入る、流れ入る・・・」
真(まこと)が祈りの言葉を発すると、天上から光が射し込み、真の手を通して、みきの足に光が流れ込んでいく。近くには天使たちがやってきて、合掌している。
「どう?」
玉美がやや心配そうに、みきの顔を覗き込む。
「玉美、おばあちゃんの手を取って、立たせてあげて。もう、大丈夫なはずだから」
「分かった。おばあちゃん、せぇの・・・!」
みきは玉美に手を握られながら、ゆっくりではあるが、確実に立ち上がる。
「ああ・・動いたわ。動けるようになったわ」
「すごい、おばあちゃん!」
(p.178~181)