くまの子のこもりうた/詩の創作です。このところ毎日書いています。
どうぶつえんの くまの子は、
おりの むこうで ひとりぼち。
まえに、とおくの ふるさとで、
かあさん うたれて、きぜつして、
気がつきゃ、れっしゃの おりのなか。
ごとごと ゆられて、ただひとり。
いまでは、かあさん よぶけれど、
かあさんの かおも わからない。
じきに ゆうぐれ、日がおちる。
からすが やまに かえってゆく。
からすは、かあさん いるけれど。
わたしも、かあさん いるけれど。
せめて、わたしの こもりうた。
かあさんがわりの こもりうた。
くまの子、くまの子、ねんねしな。
つきの ひかりも、うたってる。
おそらの うえから、かあさんも
わらって みてるよ、ねんねしな。
くまの子、くまの子、ちいさな子、
おまえが おおきく なる日まで、
うたってあげよう、こもりうた。
かあさんがわりの こもりうた。