あけちゃだめ//詩の旧作です。新しい詩も毎日書いています。
あけちゃだめ
あけちゃだめ
言われた とだなが
気にかかる
お寺の おしょうさん
隠していた
あまあい みつが
ありゃせぬか
それとも 秘密の
ぬけ穴で
ふしぎの 国に
ひとっとび
きゅうに 私は
いなくなり
家じゅう みんな
大さわぎ
あけちゃだめ
あけちゃだめ
言われりゃ ますます
見たくなる
大きな とびらの
そのなかは
なにが かくれて
いるのやら
のぞくなよ
のぞくなよ
言われた へやが
気にかかる
いなかの うちの
おくざしき
ひいじいちゃんが
住んでいた
行っちゃだめ
行っちゃだめ
言われりゃ ますます
見たくなる
お話で 聞いた
ざしきわらし
だまって すわって
いやせぬか
それとも 見なの
屋敷なら
ひらけば 明るい
はるのはら
ついと うぐいす
とんで出て
夢が きえれば
もとの 家
のぞくなよ
のぞくなよ
言われる 旅に
ゆきかかる
だれも いなけりゃ
見てみたい
まっくら ろうかの
つきあたり