【あすなろ帖】創作・趣味と読書・あの世と宗教のお話

創作は童謡と詩。趣味は音楽鑑賞や折り紙。読書は哲学・宗教・小説・コミック等々。あの世の話や、また仏教・キリスト教・神道・新宗教等々、まだまだありますが、50年近く私の学んで来た事をご紹介したく思います。2019/10/5

h天皇陛下の祈り | 世界平和 | 人類は兄弟 | 皇室の伝統

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1月7日の今日は、昭和天皇の亡くなられた日です。

天皇陛下というと、私には、まず御製(和歌)のことが思われます。
この昭和天皇ですと、まずは次の歌を挙げるべきでしょう。

西ひがしむつみかはして栄ゆかむ世をこそ祈れ年のはじめに

そう難しい内容でもないでしょうが、この「祈れ」というのは「こそ」の語がありますから「強く祈る」という事であり、命令の意味ではありませんね。
そしてこの歌が歌われたのは、ちょうど第二次大戦の時だった事は見逃せません。結局、歌の意味は、

西も東も仲良く栄えて幸福な世界を年のはじめに強く祈るものである

という事になりましょう。

これとちょうど合わせ鏡のような御製があって、そちらは明治天皇の作です。

よもの海みなはらからと思ふ世になど波風のたちさわぐらむ

「よも」は四方
「はらから」は同胞

四方の海の国々はみな同胞だと思うのに、なぜ波風が立ち騒ぐのであろうか

この歌もまた、日露戦争の始まった年に詠まれた歌だったというのも、感慨深いものがあります。

さて、歌会始めという行事は、毎年テレビ等でも紹介されていて、天皇陛下が短歌を詠みながら祈られているという事実を知っている方は多い事でしょう。

また、一週間前ですが、元日の事をネットで調べていたら「四方拝」の文字に目が止まりました。
これは宮中の行事ですが、あまり知られていないようで残念に思われます。
というのも、これは私には陛下が平和を祈られる姿と重なってとらえられ、それ以外の見方は出来ないからです。
しかし最近では、これを宗教的な行事とだけみなす人が多い訳だろうと思うのです。しかし宗教であるかどうかというような議論には、あまり意味がないと思うのです。そんな事を言ってみても、当人の心そのものは、何も分からないのではないかと思われてなりません。
さて、言葉が先走りましたが、四方拝とは元日の朝も早く、天皇陛下が四方の神々に礼拝する行事なのですが、明治以来には世界との関わりが強くなった結果として、四方といえばそのまま世界の事になる筈です。ですから、この四方拝も、おのずから、天皇陛下が世界の平和を祈り、宗教などの違いに関わりなく仲のよい世界をと望まれているものだろうと推察するのは、決して私だけではあるまいと考える訳なのです。